こんにちは=^_^=
今日はバレンタインデー、自分にはあまり関係なくても、少しソワソワしてしまいます。
わが家では5歳の娘が張り切って、板チョコを溶かして型に入れて固めただけの力作を、私にプレゼントしてくれました(笑)
人間には大人気のチョコレート☆
しかし、ご存知の方も多いかもしれませんが、チョコレートはワンちゃんやネコちゃんにとっては危険な食べ物です!
特に例年、バレンタインデーからしばらくの間は、ワンちゃんやネコちゃんがチョコレートを食べてしまったというご相談が増える時期です。
そこで、よくあるご質問への回答を簡単にまとめてみます。
<チョコレートを食べたらどうなるの?>
微量なら無症状で問題ない事が多いですが、食べる量が増えるにつれて、落ち着きがない、呼吸が早い、脈が速くなる、発熱、おしっこを漏らす、嘔吐や下痢などの症状が様々な程度でおこります。
重度になると、けいれん発作がおこり、死亡してしまうこともあります。
<どのくらい食べたら危険?>
色々な報告がありますが、安全を期した目安を書いておきます。
例えば体重5キロの子なら、ミルクチョコを約20g以上食べたら、軽い症状が出る可能性があると思われます。
以下、体重2.5キロなら約10g、体重10キロなら約40gと考えてください。
ちなみに、一般的な板チョコは1枚50gです。
体重5キロの子が、ミルクチョコを約50g以上食べると、けいれん発作が出る恐れがあります。
体重5キロの子が、ミルクチョコを約90g以上食べると、命を落とす可能性が高くなります。
おおまかな目安しか書けない理由は・・・
●中毒の原因となる主成分である、カカオに含まれる「テオブロミン」の量は、各チョコレート製品によって異なるが、メーカーからはほとんど公表されていないので分からない
因みに、平成20年に(独)国民生活センターから発表されたテオブロミン含有量のデータから推察すると、明治・森永・ロッテの各社さんのミルクチョコレートの場合は、5キロの子は約40g食べたら軽い症状、約120g以上食べたらけいれん発作、約200g以上食べたら致死率50%です。
その他のメーカーさんのミルクチョコについては分からないので、最初に記載した量を目安に対処されることをオススメします!
●その子によってチョコレートに対する反応(感受性)が異なる
同じ体重の子が同じ量のチョコレートを食べても、重症度は異なります。
また、ワンちゃんに比べてネコちゃんの方が、やや少ない量で命の危険があるようです。
!要注意!
ブラックチョコレートやカカオ含有量が多いチョコレートは、ミルクチョコレートに比べて倍以上の危険があります!
ペロッと舐めただけなら問題ないと思いますが、1口2口でも食べてしまったら、要注意です!
※同じくカカオ製品のココアも危険です!ミルクココアを体重5キロの子が300ml飲むと、症状が出始める可能性が高まります。
※ホワイトチョコレートにはテオブロミンはほとんど含まれないので、心配ありません。
<食べてしまったらどうしたら良いの?>
一番は、すぐにかかりつけの動物病院に連絡して指示を仰ぐことです。
それを前提に、予備知識として記載します。
食べたのがごくごく少量で、体調に異変が無ければ、お家で気を付けて様子を見てください。
心配な量を食べてしまったら、最寄りの動物病院で出来るだけ早く診察を受けてください。
食べてから2~4時間以内であれば、お薬を使って嘔吐させることで、症状を軽減できる可能性があります。胃洗浄を行うこともあります。
4時間以上過ぎると、吐かせたり胃洗浄をする事は有効ではないので、毒素をできるだけ体の外に出させるように、吸着剤を内服したり、点滴をしたりします。
もし、けいれん発作や不整脈などの重篤な症状がおこれば、危険な状態なので、入院による
集中的な治療が必要になります。
食べてからテオブロミンが体から完全に排泄されるまで3~4日かかると言われているので、問題なさそうでも数日は気を付けて体調を見てあげてください。
<おまけ>
今回、改めてチョコレートについて調べてみたら、豆知識も得られました☆
国内各社さんの板チョコ、10年前は1枚65~70gあったのに、今は50gと小さくなっているんですね~! チロルチョコも今や10円じゃなくて20円。時代の流れを感じます。
ミルクチョコレートとは、言葉の通り、ミルク(乳製品)が入っているチョコレート。
ミルクが入っていない、カカオが40~60%のチョコレートは、ビターチョコレート・ブラックチョコレート・スイートチョコレート・プレーンチョコレート・ダークチョコレートなどと、色々な名前が付くそうです(日本チョコレート・ココア協会HP参照)。最近では、カカオ70~90%のものも”ビターチョコレート”と称されてることがあるそうなので、一概に、ブラック、ビター、スイートなどの名前から危険度を推測するのは難しそうです(>_<)
専門的な事は省いて簡単に書いただけでも、長くなってしましました!
このようなトラブルにならないように、チョコレートの管理には気を付けて頂いているとは思いますが、なかなか阻止するのが難しい場合もあると思います。どうか遠慮なさらずに、受診してください。
当院では、集中的な入院治療はできませんが、嘔吐させる処置や吸着剤の処方、簡易的な点滴などの処置は可能です。
最寄りの動物病院へ行くことが出来な場合には、お問合せください。